★No.6 管理組合役員改選への加担介入と管理規約違反

問題の本質(要約):管理会社大京アステージは、理事会の正式な審議を経ずに総会議案資料に役員候補を不適切に記載し、規約説明も怠ったうえ、会議録を捏造して隠蔽を図るなど、組織的な隠蔽体質を露呈しました。

管理会社である大京アステージは、当時の理事長の意向に沿い、理事会の正式な審議を経ることなく、総会議案資料に役職役員候補を不適切に記載しました。さらに、理事会に対して管理規約の正しい説明を行わなかったことにより、管理組合役員改選の公平性および正当性を著しく損なう結果となりました。

加えて、本件をあたかも適正に処理されたかのように見せかけるために、役職決定に関する会議録を捏造し、事実の隠蔽を図った行為についても、大京アステージからは一切の反省や責任を示す姿勢が見られません。この対応からは、同社に根深く残る組織的な隠蔽体質が明確に表れていると判断せざるを得ません。

大京アステージの管理規約違反:管理規約第34条2項3項、第50条2項3号及び第53条(11)

総会は理事および監事を選任または解任する(役員を選任または解任する)。
理事会は理事長、副理事長、会計担当理事および書記担当理事の選任および解任。

概要:管理会社による管理組合役員改選への不当介入疑惑

理事改選における管理会社の不作為と、それによる組合自治の形骸化に関する問題です。

問題の主旨

ライオンズマンション稲沢において、管理会社・大京アステージが管理組合役員(理事長・副理事長・監事)の改選プロセスに不適切に関与したとされる疑惑について記録・検証した内容です。

・役員改選において管理会社と一部理事が結託し、特定候補を排除した経緯の指摘

・大京アステージが役員改選プロセスに不当介入したとされ、理事長がそれを黙認・容認した構図


具体的な行為

  • 理事候補者の選定や推挙に、管理会社社員が介入した
  • 一部の理事会メンバーが、管理会社と連携して前任理事長の続投を計画的に実施
  • 選出過程に関する記録・根拠が不透明であり、議事録等の管理が不完全

指摘される問題点

  1. 管理会社の中立義務違反
     → 管理業務の受託者であるにもかかわらず、組合内部の人事に口を出すのは契約・倫理に反する。
  2. 組合自治の侵害
     → 組合員の自由な意思で選任されるべき役職に、外部関与があった場合は民主的正当性が損なわれる。
  3. 手続きの透明性欠如
     → 選出理由や経緯を説明する書面がなく、信任性・正当性の担保ができない。

想定される法的責任(一般論)

  • 善管注意義務違反(民法第644条)
  • 不法行為責任(民法第709条)
  • 組合自治妨害による管理委託契約違反
  • 必要に応じ、業務改善命令・業務停止等(マンション管理適正化法)

組合としての対応・今後の方針

  • 経緯の文書記録・証拠の収集を実施中
  • 管理会社に対し、正式な質問状・通知書を送付予定
  • 行政機関や第三者専門家への相談、通報の準備を進行
  • プレスリリースや報道対応も視野に、情報公開へ踏み切る方針

この件は、全国の分譲マンションにおいて管理会社が管理組合の人事に不当に関与する構造的な問題の一例です。

大京アステージが管理組合役員改選に不当に介入した疑義について詳述します。具体的には、

  • 当時の理事長が自らの続投を希望し、他の役員候補者を理事会で十分な審議を経ずに議案書へ記載。
  • 大京アステージはそのような進行に対し、本来説明すべき「管理規約上の正しい選任方法」について理事会に説明をせず、黙認。
  • 結果的に、住民の意思形成や公平性が著しく損なわれた。

大京アステージが後日「理事会支援業務に不備があった」と認め、「猛省している」とする姿勢を示した。

大京アステージにより捏造された役職決定会議事録

役職決定会が開催されていない証拠

捏造の証拠:役職決定会議事録署名人である当時の書記担当理事の証言

大京アステージの本件及び役職決定会議事録の捏造の隠ぺい工作の証拠

管理規約を遵守する姿勢がなく、総会の承認決議を盾にする大京アステージの
マンション管理業務の基本的な考え方の証拠(赤線部分)

大京アステージの回答

1回目の回答 2024年2月2日:第31期通常総会の決議に基づき選任されたので問題ない。

証拠:2024年2月2日大京アステージ回答書の抜粋

2回目の回答 2024年5月15日:最高意思決定機関である総会において承認されたので問題ない。

証拠:2024年5月14日大京アステージ回答書の抜粋

大京アステージの最終回答:2025年5月15日管理規約の理解に欠けていた行為であると猛省する。

証拠:2025年5月15日大京アステージ回答書の抜粋

第32期理事長の回答書:通常総会での審議により承認され正式に着任。

証拠:第32期理事長の回答書の抜粋

再通知書送付:2025年5月17日 21:36

No.6の交渉履歴に記載の通り、貴社は当初、本件について「最高意思決定機関である総会決議によるもので問題なし」と回答しておりました。にもかかわらず、当該総会議案を上程するまでに行われた理事会での審議や、当時の理事会役員による確認書の存在について、現時点で一切を否定するかのような姿勢に転じている点は、極めて重大な問題です。総会決議を正当化の根拠としながら、その前提となる理事会の意思形成過程を無視・否定する貴社の姿勢は、自己矛盾を含む極めて非論理的なものであり、理事会制度を形骸化させる企業体質そのものを露呈しております。よって、当時の理事会役員との連名による「事態報告書」の正式提出を強く求めます。貴社が総会の正当性を主張する以上、その前提たる理事会の意思形成過程についても、同様に正式文書にて明確化されるべきです。

再回答(2025年5月23日):理事会支援業務に不備あり。当時の理事長が理事長職を留任する意向のもと、役職役員候補を総会資料に記載したことは管理規約を正しく理事会に伝えるべきであったと猛省。今後は社員教育を徹底し、管理規約の理解のもと、理事会支援業務を行う。

再回答への見解:不適切な支援とガバナンス歪曲を認めながら、責任の明示を避ける姿勢

この事案は、管理会社と理事長の癒着や過剰な依存関係の典型例と捉えられます。
役員改選はマンション自治の根幹であり、公平性・透明性が極めて重要です。そのプロセスに対し、管理会社が正しい助言や指導を行わなかったことは、住民の信頼を大きく損ねる深刻な事態といえます。

特に、大京アステージが「猛省」と記載しながらも、実質的な再発防止策や第三者的な検証を提示していない点が残念です。真の責任追及や改革への具体性が乏しいと感じております。

1. 【事実上の「理事選任手続きの誘導」疑惑】

管理会社が、理事長の意向に沿う形で役職役員(理事長・副理事長・監事)候補をあらかじめ総会資料に記載する行為は、管理規約に基づく理事選任の民主的プロセスを事実上ゆがめる可能性があります。

本来、役職の決定は理事会の権限(規約上の決議事項)であり、それを総会資料段階で記載することは区分所有者の誤認を誘発し、選挙の形骸化を助長するものです。


2. 【「猛省」のみで済ませる組織的責任不履行】

今回の回答では「猛省する」と反省の姿勢を示しつつも、
・なぜそうなったのか(業務フローの欠陥)
・誰が最終責任者だったのか(支店長・本社管理部門の確認体制)
といった具体的な再発防止策や責任所在には触れていません。

つまり、実質的には謝罪を装いながら、責任の所在を曖昧にしている組織対応と見なされます。


3. 【組合運営の中立支援義務に違反する可能性】

マンション管理会社には、区分所有者間の公平性を守る中立的立場から、理事会・総会の運営を支援する「助言義務」や「中立支援義務」があります(業務委託契約・マンション管理業法ガイドライン等に基づく)。

したがって、管理会社が特定の理事長の意向を優先して支援業務を進めること自体、公正性・透明性の原則に違反していると評価されかねません。


4. 【社員教育強化では不十分な再発防止策】

「社員教育を徹底する」とする点は一見前向きな表現ですが、以下の点が問題です:

  • 教育ではなく、ガバナンス・監査体制の構築と外部監査の導入が必要
  • 本社コンプライアンス部門が本件をどう扱ったかの説明が不可欠
  • 「教育強化」によって免責されるべきではない

5. マンション管理会社と理事会(特に理事長)との力関係や馴れ合いが引き起こす典型的なガバナンス崩壊の一例として読み取れます。

大京アステージは本来、管理規約を順守するよう理事会に助言すべき中立的立場です。しかし、そうした立場を放棄し、理事長に迎合する形で誤ったプロセスを看過したことは、「支援業務」ではなく「黙認」と呼ぶべきでしょう。

しかもその後の対応も「猛省」とするだけで、住民への説明や再発防止策の提示は乏しく、企業としての誠意ある対応とは言い難いものです。

想定される法的責任(一般論)

種別内容
民法善管注意義務違反(第644条)、債務不履行(第415条)
区分所有法組合意思決定過程への不当関与の疑い(実質的な影響力行使)
管理業法誠実義務違反、中立支援原則の逸脱による行政指導対象
組合側対応損害があれば損害賠償請求、総会決議取消訴訟の根拠になり得る

管理組合としての今後の対応

  1. 通知書再送付と責任の明確化要求(誰の指示か、再発防止策の内容)
  2. 総会運営・理事会手続の改善案提示と議案への管理会社関与の可視化
  3. 第三者監査導入の検討(外部士業等による総会手続の事前チェック)
  4. 必要に応じた行政通報・契約見直しの検討

結論

本件は、単なる事務ミスではなく、理事会という自治機関の自律性と民主性を侵害しかねない「制度のゆがみ」を招く問題です。
大京アステージの今回の回答は形式的な反省にとどまり、実質的な責任の所在・是正策を明示しておらず、管理組合としてはさらなる対応と検証が求められると考えております。

大京アステージに発生し得る法的責任(一般論)

【1】民事責任

❶ 善管注意義務違反(民法第644条)

マンション管理会社は、管理委託契約上、組合に対して「善良な管理者の注意義務」を負います。
役員改選という管理組合の内部自治に対して、中立性を逸脱して影響を及ぼした場合、契約上の注意義務違反となり得ます。

❷ 不法行為責任(民法第709条)

仮に管理会社の介入によって、特定人物の就任・排除が行われた場合、
その影響を受けた組合員や元役員が「精神的・実害を被った」と主張すれば、損害賠償請求の対象になります。

❸ 管理委託契約違反

管理業務委託契約書(国交省標準)では、「管理者的中立義務」が前提です。
役員選定への関与は、「受託者としての権限を逸脱した越権行為」として、契約違反に該当します。


【2】行政責任

❶ マンション管理適正化法に基づく指導・処分

管理会社が理事改選に関与し、組合自治を損ねたと認定されれば:

  • 国土交通省や都道府県により、業務改善命令・業務停止命令の対象となり得ます(同法第72条等)。
  • 重大・継続的であれば、登録取消もあり得ます(管理業者登録制度に基づく処分)。

❷ 行政通報・指導の根拠

組合員や第三者からの通報により、地方自治体・国交省が調査に乗り出す可能性があります。


【3】刑事責任(限定的だが、悪質性が高ければ)

  • 背任罪(刑法第247条)
     組合の信頼を裏切り、自らまたは第三者の利益のために役員選任を操作した場合、背任が成立する余地あり。
  • 強要罪・脅迫罪(刑法第223条など)
     発言や同意を強いた経緯に暴言・圧力等があれば構成要件に該当する可能性も。

実務上のリスクと懸念

項目法的区分想定される責任
管理会社が役員改選に関与民事善管注意義務違反/契約違反による損害賠償請求
組合自治の侵害行政業務停止・指導命令の対象(適正化法)
影響を受けた組合員の申立て民事・刑事名誉毀損、背任、強要などの訴えにつながる可能性

まとめ

管理会社による理事改選への関与は、「形式的な助言」を超えた瞬間に重大な契約・法令違反となり得ます。
その結果、住民との信頼関係が破綻し、組合運営が混乱することにもつながります。

管理組合役員改選への加担介入に関する法的対応資料一式

第32期理事長の関与:代理人弁護士による内容証明でのご回答

第32期理事長に発生し得る法的責任(一般論)

【1】民事責任

① 善管注意義務違反(民法第644条 準用)

理事長は、組合運営の中立性と公正性を守る立場にあり、役員改選の場で外部(管理会社)からの不当介入を排除・是正する責務があります。
それを黙認・容認すれば、組合に対する注意義務違反となり、損害賠償請求の対象になり得ます。

② 不法行為責任(民法第709条)

前任理事や他候補を排除するために管理会社と共謀したと評価されれば、不法行為としての個人責任が発生し、損害を被った組合員や候補者から訴えられるリスクがあります。

③ 総会決議の瑕疵責任

仮に不正な選出過程により理事構成が決定された場合、その後の総会議案の決議自体が無効または取り消しの対象となる可能性があります(区分所有法第59条・60条)。


【2】刑事責任(悪質性が高い場合)

① 背任罪(刑法第247条)

理事長がその地位を利用し、管理会社や特定理事と結託して「不正な改選」や「情報操作」を行った場合、組合に不利益を与えたとして背任罪が成立する可能性があります。

② 強要罪・名誉毀損(刑法第223条・230条)

前理事や他候補者に対して、発言・立候補を封じるような言動や書面作成を指示・容認した場合、人格権の侵害や精神的損害が認定される可能性があります。


【3】行政責任・統治責任

① 管理適正化義務の不履行

理事長は管理の中心人物として、マンション標準管理規約に基づき、「透明で公正な組合運営」を担保する義務を負います。
これを怠れば、行政機関(都道府県住宅課や国土交通省)による是正勧告や調査の対象となり得ます。


【4】想定される法的影響の一覧

理事長の行動・不作為想定される責任関連法令・制度
管理会社による特定候補排除を黙認・承認善管注意義務違反民法644条、区分所有法
前理事の立候補阻止に加担損害賠償・名誉毀損民法709条、刑法230条
改選手続の説明・議事録管理の不備総会決議取消・損害責任区分所有法59・60条、民法709条
選挙を利用した排除・不透明な推薦行為背任罪または共謀の疑い刑法247条(背任)

まとめ

理事長は、形式上の進行役ではなく、住民代表としての統治責任者です。
役員改選という重要な局面において、仮に管理会社や一部理事の意図に加担または黙認した場合、契約上・民事上・刑事上の重い責任を問われることになります。

管理組合役員改選への加担介入に関する法的対応資料一式

全国のマンション管理組合の皆様への注意喚起

プレスリリース

報道提供用資料